ガラガラガラ
「授業はじめるぞー。早く席つけー」
教室に入ってきた授業担当の先生の声が聞こえた。
その拍子に時間が動いた気がした。
私は教室から飛び出した。
先生の呼ぶ声なんて振り払う勢いで、教室から逃げ出した。
あんなことがあって、あの場にいられるわけがない。
頭がついていかない。
自分が思っていたよりも、はるかに大きなことだった。
全然、違っていた。
未歩は香織と仲良くなって、私は用済みになった。
あんなに仲がよかったと思っていたのに……違っていた。
儚い……友情だった。
いや、友情なんてもの、はじめからなかった。
私のただの、勘違い。