ああ。


そうか。


この人は、出会った時から私を利用していたんだ。


私のことを｢友達｣だなんて思ったこと、一度もなかったんだね。


｢薄々感じていた｣なんて、それ自体違っていたんだ。


｢もともと｣友達なんかじゃなかった。


私は、ずっと信じていた。


だけど未歩は、ずっと私を自分の思い通りに操作していたのか。


本当に、未歩の言う通りだ。


私は、鈍感だ。


｢気づきたくない｣？


気づくも何も、はじめから何もわかってなかったんじゃない。


未歩ははじめから自分が一人になりたくないために、私を｢友達｣として受け入れた。


私は、ずっと一人で行動してきたことがなかった。


だから私も一人で何かするというのは苦手なタイプ。


それを悟って未歩は私をいいように使ってきたってことなんだ。


ずっと、自分のことしか考えてなかったんだ。


私は一人が嫌だから未歩と一緒にいたわけじゃない。


未歩といて楽しかったから一緒にいた。


一人は苦手だけど、人を利用してまで誰かと一緒にいようなんて思わない。


でも、未歩は簡単にできていた。


腹の底で笑いながら、私を騙していたんだ。


本当、鈍感。


笑っちゃう。