永遠の傷跡~すべては弱い心から~




次の日。


香織が、未歩にこう言った。


「未歩、昨日は楽しかったね!」


 昨日?


「うん、楽しかったねー!」


未歩も、香織にそう言う。


「昨日、何かあったの?」


私が未歩と香織に聞いた。


「昨日、未歩と遊んだんだよ!あたしは用事があったから遊ぶの少し遅くなっちゃったけどね。友達の誕生日プレゼント買いに行くの、ついてきてもらったんだ!プリも撮った!」


と香織は笑顔で言った。


 待って。未歩は昨日私と遊んで、いつもの曲がり角で別れた。


 そのあとすぐに、未歩は香織のとこに行ったってこと?


 未歩、そんなこと一言も言ってなかったのに……。


 どこかに行く素振りさえなかった。


 よく考えてみれば、意外とカフェにいる時間もそんなに長くなかった。


 未歩の「もう行く?」っていう言葉で店を出た。


 もしかしてもう香織と遊ぶ時間だったから?


 まさか、私と遊んだのは……香織と遊ぶまでの暇つぶし……?


頭によぎってしまった嫌な言葉。


「プレゼント買えてよかったねぇ!」


未歩も、何事もなかったかのような態度で香織と話す。


 ……そんなことないよね。


 未歩に限って。


 大丈夫だよ、友達だもん。


 っていうか私最低!


 そんなこと思うなんて!


 未歩とは、1年の時からずっと一緒なんだから。


 未歩はそんなことしないよ。


 もう、私ったら、どうかしてるよ……。


 でもちょっとくらい、香織とのこと言ってくれたってよかったのにな……。