永遠の傷跡~すべては弱い心から~




 数日後。


私はいつも通り学校に行くと、未歩と香織はもう来ていた。


「おはようっ!」


私が声をかけると、2人とも「おはよう!」と、元気な挨拶をしてくれる。


「あ、ねぇ柚希。今日お弁当忘れちゃってさ、お昼代、貸してくれない!?明日絶対に返すから!!あとジュースもおごる!」


突然、香織がそう言ってきた。


「え、全然いいよ!ジュースなんておごらなくていいって!」


私は即座にそう答え、お昼代を財布から出して貸した。


「ありがとう~!助かった!!柚希大好き!」


香織が笑顔で私にとびついてくる。


「も~、いいっていいって。友達なんだから、困ってるのに放っておくわけないでしょ!」


私は香織の肩をポンポンと優しく叩いた。


未歩は私たちの会話を見て、「香織大げさ~」と言って笑っていた。


いつもの日常。


いつもの風景。


いつもの笑顔。


ここは居心地がいい。


みんなで話して、みんなで笑い合う。


移動教室も3人一緒。


学校では、私たちはいつも一緒だった。


最近は、帰りも3人で帰っている。


すごく楽しくて、笑いが絶えなかった。


未歩も香織もだーいすき。


ずっと楽しい時間が、続けばいいのに……。




次の日には、香織からはちゃんとお昼代が返された。