新しいクラスにも慣れてきた頃。




「柚希ー!今日、遊ばない??うち今日親が帰るの遅くてさ、ごはん食べて来てって言われたんだー!」


「え、今日!?」


放課後、未歩がそう言って誘ってくれたけど、私は驚いた様子で返してしまった。


だって、今日はタイミングが悪く未歩の誘いに乗ることはできないから。


「え、もしかして無理な感じ?」


「あ……うん。今日は用事があって……。」


「えー!まじ!?てか、柚希が用事なんて珍しいねー。いつも暇なのに!」


「うっ……暇とは失礼な。今日は家にいとこが来るの。だから、親に「早く帰ってきなさい」って言われててさ。」


「あーそうなんだ。いいなぁ今日柚希んちにぎやかじゃん!」


「ごめんねぇ未歩。なんか、肝心な時に一緒に遊べなくて……。」


「いいよいいよそんなの!仕方ないじゃん!気にしないで、コンビニでご飯でも買って帰るよ。」


そう話して、この日も一緒に帰った。


いつもの曲がり角で私は未歩の後ろ姿を見送ってから、自分の家へと向かった。