「私が出れたら、あとからダッシュで逃げ出すんだよっ!」
私はアイちゃんにそれだけ言って、あとは未歩たちが倉庫のドアを開けるのを待った。
「うん……」
アイちゃんは不安そうに返事をする。
ガコッ!
倉庫のドアを抑えていた何かをはずす音がした。
ガコガコ……
倉庫は古く、ドアが開きにくい感じだ。
ガコンッ
ドアが完全に開いた。
「ぷっ(笑)きったなぁ~い!迎えに来てやったんだから感謝しなさいよ~??」
私の顔を見て初めに発した未歩の言葉。
……ひどい。
でも、やっと出られる。
「きゃっ!!」
未歩が私の腕を強く掴んで倉庫から引きずり出した。
「……っゆずきちゃん!!」
アイちゃん!!
「ん?誰その子。」
未歩がアイちゃんに気づいた。
「っ!!アイちゃんっ行って!」
私はアイちゃんに向かって叫んだ。
「っ……う、ん……」
アイちゃんは、倉庫から出てきて私の顔を見た。
アイちゃんは、とてもかわいらしくて、ショートヘアで、左腕にはリストバンドがしてあったのが特徴的だった。
アイちゃん……やっとしっかり姿が見れた。
よかった。

