お昼くらいになった頃。
外で女子たちの声が聞こえてきたのだ。
「え、人の声?」
私が反応した。
「……ほんとだ。誰だろう。」
聞き覚えのある声だった。
「もしかして、未歩?」
「え、未歩ちゃんて……」
「うん、仲良かった子……。」
倉庫の中は重い空気になる。
「ねぇ、もし私がここから出ることになったらアイちゃんも一緒に出るよね!?」
私がそうアイちゃんに言った。
「あ……大丈夫かな。勝手に出たりなんかしたら……またひどい目に合うかも……。」
いじめる奴らは、勝手な理由をつけて理不尽にいじめてくる。
だけど、もしも今日誰も来なかったら?
もしも、また縄で縛られてこの倉庫に放置されたら?
もしも……。
「もしも」、そこからの連想が止まらなかった。

