「とりあえず、ここから出ないとだよね……。」


私たちは、閉じ込められていたことを少し忘れてしまっていた。


「そ、そうだねっ」


とアイちゃんは答える。


私たちは、「ゆずきちゃん」「アイちゃん」というふうに呼び合っていた。


「あ、でも、外から何かでおさえられてるかもしれない……。さっき私が閉じ込められたとき、外でドアをおさえるような音がしたから。」


「ええっ……どうしよう……。」


私がそう言うと、アイちゃんは不安そうな声で言った。


「でも、もしかしたら開けれるかもだからっ……!」


私があわてて言うと、「そうだよね」とアイちゃんは答えた。


とりあえず、私たちはドアをどんどんと叩いて助けを呼んでみた。


「だれか!だれかーっ!」


だけど物音ひとつない。


 やっぱり、こんなところ誰も来ないか……。


次に、ドアを蹴ったり体当たりして突き破ろうと思った。


ふたりで頑張ってやってみるも、体の所々が痛んでくるだけ。


「はぁ……」


私たちはため息をつくしかなかった。


倉庫だから何かないかと探しては見るけど、ドアを壊せそうな物はない。