名前を知る仲になるということは、きっと話す仲にもなるということなのかもしれない。
うれしいことだけど、裏切られるリスクだってあるんだ。
私は人を信用しないって……信用できないって確かに思った。
だから……正直怖かった。
人と関わることが。
そう、人と深く関わることが。
「私は、望月愛。2年生。あなたは……?」
もちづき……あい。
同学年……。
「あなたとなら、仲良くできそうな気がするの……。」
女の子は下を向きながらそう言う。
私となら……?
ああそうか。
いじめられている者同士、わかりあえるってことか。
いじめられている者の気持ちをわかってくれる人なんて、そう簡単にいない。
みんな楽しんで見てるだけ。
見て見ぬふりをするだけ。
そして、いじめられる者同士の対面なんて滅多にない。
1人が標的になると、みんなはその1人をいじめるのに集中する。
だからなかなかこんなことはないと思う。
しかも、2人とも倉庫に閉じ込められるっていう同じ形で出会うなんて……。
奇跡に等しいよね。
そう思うと、なんか……この子と仲良くできる気がしてきた。
いやでも待って、私は人を信用しない……。
でも、この世にはいじめる人ばかりじゃない。
こうやって私と同じ経験をしている人も、近くにいるものなんだ。
私と同じ……。
なら、
それなら、
仲良くなれるかもしれない。
この子の言う通り、仲良くできそうな気がする……。
一緒に共感し合って、悩みを分かち合って、乗り越えていける?
もし、これが「奇跡」なんだとしたら……
信じてみたい。
ここで出会ったのは、なにかの縁なのかもしれない。
私は少し、「信じてみよう」って思った。
「信じてみたい」って思った。

