和菓子のはなや

店を入ると1番に目に入るのは目の前にあるガラスのショーケース。


その中には小さくて可愛い和菓子たちが綺麗に並んでいた。


そして店の端の方に、テーブルがあり、その上に焼き菓子などが並べられている。



1番人気であろう最中は、レジの隣に積まれている。


そしてそのレジの横に座ってこちらを見ている男の人が一人。




「…………………………」



「あの、店のとびらの貼り紙みて来たんですけど、」



おそるおそる口に出した。



男は真顔でこちらをじーっと見ていて私は戸惑う。



少しだるそうな、二重の綺麗な目。鼻もスッとしている。髪は暗めの茶色で、襟足が所々はねている。



そして1番の特徴は暗めの青色の甚平。それはこの人にとても似合っていた。



お店の人はおもむろにカレンダーを見る。



そして、



「明日から大丈夫?」


と。


またダルそうにペンで頭を掻きながらカレンダーに何やら書きこんでいる。