そんな感じで毎日が過ぎて行き、美知子さんも海外へ行き、私は夏休み前のテストをなんとか乗りきった。




そして夏休み。




奈津は夏休み中はほぼ休みなしで働くと言っていたので遊ぶのはなかなか難しそうだ。




だから私もたくさん働くことにした。




欲しい服とかもあるしね…!!




そう思いながらあっという間に水族館へ花谷さんといく前日。




私は焼き菓子をおくテーブルを拭いている。




花谷さんはお菓子を食べている。今日は金平糖。




私はガラスのショーケースから金平糖の袋を取り出すのを見て瞬時に「花谷さんっ!!」と言った。




花谷さんはビクッとしてこちらを見る。





「お店のものを勝手に食べないでください!!…って美知子さんが言ってたので食べないでください!!!」





そう。実は美知子さんが海外に行く直前に私に『基裕、勝手にお店のもの食べてるでしょ?あれちゃんと注意してくれない?』と言ったのだ。




すごい母親パワー。ばっちりバレてる。




だからもう花谷さんにお店のお菓子は勝手に食べさせない!!




「そんなの知るか」




そういってバッと金平糖を何粒も一気に口の中に入れて、ゴリゴリと噛み砕いた。




「あーーーっ!!」



美知子さんとの約束さっそく守れなかったよー!!