和菓子のはなや

「着替えたら店に来て」

そう言って花谷さんはお店の方に戻っていった。




私はさっそく服を着替えようと貰った制服を広げてみる。



袖は半袖の、着物タイプの物。和風な感じの緑色。そして腰に付けるタイプのエプロンは暗めの青。




着付けには問題ない。



去年の文化祭でこれと似たような服を着て、喫茶店をやったから。



私は出来るだけ早く、丁寧に制服を着て、お店の方に向かった。





「着替え終わりました!」




緑ののれんをくぐってすぐ左のレジの所に座っている花谷さん。




「よし。じゃ、お客が来たら接客たのむな。」



花谷さんの目線は真っ直ぐ扉の外の方を向けている。



「はいっ。」



私はそう返事をして和菓子が並ぶショーケースの真ん中らへんに立ってみた。