和菓子のはなや

背が結構高い。そして今日も青い甚平。


私はその人を見上げて言葉を待つ。



「花谷基裕です。よろしく。」



真顔のまま花谷さんは言った。




「はいっ」




「じゃ、さっそくこっち来て。」



そう言って花谷さんは店の奥の方へ入るように促した。



頷いて花谷さんの後について行く。



緑ののれんをくぐると、奥は生活感溢れる家だった。



「ここ、お店と家が一緒だから。これ着替え。着替える時はここで着替えて」




そう言って花谷さんはお店の制服を渡してくれた。部屋は畳と、タンスがある部屋。



「わかりました!ありがとうございます!」



私は花谷さんから服を受けとる。