すると楓くんは、何も言わずに、黙ったまま私を抱き締めた。

楓くんに抱き締められる強さは、告白されて抱き締められた時よりも強くて。

こんなに近くて、密着してたら、ドキドキしている私の心臓の鼓動が楓くんに分かってしまうんじゃないかと不安になる。

抱き締められて、ドキドキしてること。
分かってほしいようで、分かってほしくない。
なんだか、恥ずかしすぎて。