春夏秋冬キミがいた

みんな、コソコソと「何?ケンカ?」なんて言いながら、興味深そうに私達を見る。

海斗は私に驚きもしないで、椅子に座ったまま立ち上がった私を見上げてる。

「分かるから言ってんだよ。」

静かな教室に、海斗の低くて冷静な声だけが響く。
静かにゆっくりと立ち上がって、泣きそうな私の耳元に口を近づける。

「…俺だったら、本気で好きな女を不安になんか絶対させねーし。」

そう、呟くような小声で言った。
感情が高ぶって、涙が出そうになる。

机の横にかけてあるスクールバックを勢いよく取って、海斗の顔も見ずに教室から走って出て行った。