私の視線はいつだってゆらゆら。
君の視線もいつだってふわふわ。
だから、お互い交わる事はなかった。
でも、少しの勇気で交わる事ができた。
「……ところで李来はさ、いきなりホームの反対側に現れたけど今まで学校にどうやって通ってたの?」
「え?普通に電車」
「え?いなかったじゃん」
「早起きしてたまたま早くホーム行って好きな子がいたら、そりゃ毎日早起きするだろ?」
どうやらいつもは1本遅い電車で通っていたらしい。
「……ありがと」
「どういたしまして」
学校が違くても
距離が違くても
制服が違くても
スクールバッグが違くても
好きなものは好きなんだ。
「あ、そろそろ電車来るよ」
「あっそうだな!じゃあまたなー」
「うん」
反対側のいつもふわふわしてた視線。
疲れた顔のサラリーマンじゃなくて、
空じゃなくて、
コンクリートにへばりついたガムじゃなくて、
私をこれからは見つめてね。
私ももうゆらゆら視線が泳ぐ事はないよ。
2人の視線が反対側で交わる。
これからも。ずっと。

