ギャハハと不良チャラ男とケバい女達笑い声が響く教室にガラッと扉を開いて担任が入ってきた。



「なーに笑ってんだ〜。今から集会あっから体育館行け〜」

「あ!やっちゃんおは〜!」

「はいはいおはおは。はよ行け」



やっちゃんとは、担任の
【弥宵健一朗(やよい けんいちろう)】
のこと。

学校でもタバコは吸うし、髪も金に近い茶色に染めてるし、なぜか白衣着てるしで見た目はかなりの不良教師。

でも、物理の先生で頭いいし、顔もイケメンだし、生徒のことわかってるみたいだから結構人気がある。


…私にも構ってくるのはやめていただきたいわー…



「夢月(むつき)も辛気臭ぇ顔してねぇでさっさと移動しろよー」

「…してません…」



こんな風にね。

しかし、辛気臭いとはなんだ…



あ、いい忘れていましたが私
【夢月蒼葉(むつき あおば)】
と申します。










移動し、体育館で体育座り。
ぽっちゃりにはこの体制辛いんだから早くしてほしい。


少ししてから全校生徒が集まったのか、校長先生が出てきた。その頃には眠くて床をぼぅっと見つめていた。



『え〜。皆さんもご存じかと思いますが、化学教師の山田先生と、体育教師の佐藤先生が、急病で三ヶ月の休養を取ることになりましたので、臨時教師をご紹介します』



知らなかったよ…
とりあえずで授業受けてたから…


ま、でも臨時だろうが変わらな“キャアァアアアァアァアア!!!!!!!!”


いきなりの黄色い歓声に眠さで下がっていた頭も思いっきりあがった。
なんだなんだっ!



顔をあげステージを見ると、スーツを着た若い男性2人が立っていた。

やっちゃん先生も泣いて逃げるほどの美形だった。周りをみると、女子生徒はほとんど心が奪われてるように思える。



…なんだか、ちょっぴり男子生徒には同情する…