翌日。東雲先生に反省文を渡しに行こうと朝から職員室に向かった。だけどいなくて、次の休み時間に渡せばいいかと教室に戻った。



…が、渡せずに現在放課後…
職員室にいなかったり、親衛隊や文槻に邪魔されたり、弥宵先生の頼まれごとなどで放課後まできてしまった…


……でも、弥宵先生の話してくれたことは気になったな。




昼休み。早めにご飯を食べ終わり、東雲先生を探しに行こうと教室をでたら、



「ちょうどいい時に出てきたな夢月。お前来い」



ばったり会った弥宵先生に捕まり、引きずられていった。反省文が…


引きずられ、着いたところは資料室。
なんでも次の授業に使う資料を以前この場所のどこかに置いたままにしてしまい、それが見つからないとのこと。



「いや悪りいな〜。どこいったんだか」

「ちゃんと…っしょっと。授業道具は整理して下さいよ」



資料の山を手当たり次第に探す。先生はのんびりヘラヘラしながら探し、私は一刻も早く見つけてから反省文を渡しに行こうと思っていた。

そしてとあるダンボールを開けた時にやっと見つけた。



「これですか?」



先生に手渡して確認してもらうと、“では帰ります”と言いすぐに出て行こうとした。………ら、首根っこ掴まれた…



「ぐぇ!…な、なにすんですかっ!首しまります!!」

「お前……この後東雲先生んとこ行くつもりか?」



首根っこ掴んだまま先生は、私の耳に口を近づけて言った。
耳に…息が……
…………キモチワルイれす…



「東雲先生……いや、“東雲依昌”と“篠座夜行”には気をつけろ…」

「え…?」



我慢して聞いていたが、この言葉に目を見開いた。

なんで東雲先生と篠座先生…?
気をつけろって…



「俺がその2人が気になったのは、2人があまり会話をしないところだ。
臨時教師は2人しかいない。普通は他の場所に行くと、その場の奴よりはもう1人と会話をするはず…
だがあいつらは互いがわかっているかのように過ごしてるんだ」

「あ…そういえば2人でいるのあんまり見たことない」

「だろ?…んで、これが1番の謎だが…
両方プライベートのことをほぼ言わない。むしろ、隠しているようにも見える。
これは俺のカンだがな…」



弥宵先生は話し終えたというように突き飛ばした。よろけつつドアによしかかる。そして、なにをするんだというように先生を振り返ると、私のことを優しく見つめていた。



「まぁともかく気をつけろ。お前なんか東雲に狙われてそーに見えたからな。これ忠告として受け取っとけ」



そういうと私より先に出ていった。
優しい目で私を見ていた理由はわからなかった。



キーンコーンカーンコーン
………そして………チャイムが鳴った…