「さ、入れ西城」


先生がそう言うと


ガラガラ……



少し遠慮しがちにドアが開いた。






「………………!」


「……えー、紹介するな。今日からうちのクラスに入ることになった、西城 麗(ウララ)だ」



俺は目を見開いた。

入ってきた瞬間、周りの空気が一瞬で変わったのが分かったのだ。


長い黒髪に、小さなピンで止めた前髪、長い脚、歩き方………

このクラスにはいなかったタイプの女子だ。



「…………え、えと……。皆さん初めまして。西城 麗といいます。出身は兵庫県で……こっちのことは全然分からないので、良かったら色々教えて下さい。……これからよろしくお願いします」


パチパチと拍手をする。

何人かの男子はもう興味津々だ。


「ということで、これから皆色々教えてやってくれよ~」






…………なるほどね。

皆がワーワー騒ぐのもわかる気がする。


確かに、美人だと思うし。



……転入早々コクるのはどうかと思うけど。


「席は……如月の隣でいいな。真ん中の左のあいつだ。如月、聞こえてるな?」






……ん?



「え、俺の隣すか!??」


「そこしか空いてないから仕方ないだろ。西城、いいよな?」


「え……あ、あたしはどこでもいいですよ」


そう言って、スタスタと俺の隣に来る西城。


いや、俺が良くねーよ!!汗




「如月………くん?隣、ごめんね………よろしく……」



「お………おう………よろしく……」





いや「よろしく……」じゃねーし。


周りの目線が突き刺さる、痛い痛い。




…………これは後で大変な事になるフラグだな。うん。



覚悟しとかねば…………。