ことは昨日に遡る。











「ふー…………っはよ!」

「おっ!なっちゃん来た来た!!ヤバイよ、ニュースニュースっ」



学校へ到着し、席へ着く。

と同時に、何人かの男子が俺の回りに集まってきた。


「何?どーしたんだよ」

「今日さ、転入生来るらしいんだよ!しかもめっちゃ美人の!」


美人、と聞いて少し反応する。


転入生なんて来るんだな……全く知らなかった。


「ふぅーん…………何組に?」


「おまっ、何も知らねーの!?ここだよここ!五組に来るんだってさ」

「めっちゃ運良いよな~だってすでにコクったやつ何人かいるらしーぜ?しかも関西人!」

「そーなんだ。まぁ興味ないけど……」


適当に返事をして鞄をロッカーへと入れる。



「なっちゃん本当、恋愛興味なし!って感じだよな~。青春は今だけだぞ?」


「んー……まぁ、考えとく!w」

そろそろ予鈴なるぞと付けたし、俺は席に着いた。







……はっきり言うと、ああいう話はあまり好きじゃない。

確かにカップルやリア充は羨ましいと思う。


だけど、決して自分がなりたいとは思わない。

むしろ無縁だと思っていた。









「えー……授業を始める前に、転入生を紹介する」
















先生のその一言で、教室中が静まった。