頭の中で、あの人の声がする。信じろ、と言ったあの人の私を嘲笑う声が。

その声とは違う人とヤっている映像がフラッシュバックする。

総長の舌が口に入ってきて、あの人の言葉と行為がより鮮明に流れ出す。

手足が震える。

尋常ではない量の汗が額を背中を、体全体を伝う。

「おい!どうした?」

キスを止めた総長が尋ねてくる。

その声にハッとした私は気付いたときには


回し蹴りをして、総長を気絶させていた。


静寂が包む屋上には、

唖然としている桜龍の副総長と幹部がいた。