佐伯からのメールが来ていたのだ。
うちの高校は基本的には携帯電話は使用禁止ではない。ただし、実は細かいルールが決められているらしいけど、今までさほど携帯を使う必要のなかった俺は入学式で配られたそのプリントを全然読んでないのだった。
『お疲れ様。長かったね、テスト。あたしも今日は美術部出るよー』
あ、部活出るんだ。
付き合うようになってからそれなりに色々話していた。毎日のメールのやり取りや、たまに一緒になれたときの電車待ちのホームなんかで。
彼女が普段美術部でしていることや、色そのものが好きだってこと。家では何をしているかとか、仲の良い友達は誰か、とか。
それから、実は彼女も俺を気にしていた、と聞いて、本当に喜んだ。
なーんだ、ってその時は言ったのだけど。
なーんだ、俺ら、実は両思いだったんだな、って。
言ったあとに二人で照れてしまった。
えらく面倒くさい回り道をしたようで、でも実はお互いを気にし始めたのはあの9月、夕焼けの廊下でぶつかった時だと判ったから、そんなに時間は経ってないんだった。
ここ3ヶ月の話だよ、うん。
ちっとも気にしてなかった隣の席の女子。ぶつかって、口元も怪我して驚いて・・・。
そのハプニングキスで、俺の中で存在が大きくなったんだった。
つか、もう普通にキスだって出来るんじゃん?自分でそう考えて、廊下の壁に頭をぶつけたくなった。
・・・ダメだ、多分、赤面。早く外の冷たい風に吹かれよう。



