12月に入って学校の中はざわざわしている。
3年の大学受験のために先生方は一様に固い顔をして忙しそうに廊下をいったりきたりしているし、1年生は年末年始の冬休みを楽しみにして浮き足だっているみたいだった。
廊下には足音や笑い声も響き、大量の生徒が行き来している。
マンモス学校の試験は大変だ。生徒数もクラス数も半端ないから、学校中がひっくり返る感じになる。
中学の頃から部活の為に勉強の手は抜けなかった俺は、照れくさいのもあったからデート代わりに図書館での勉強をしようって佐伯を誘ったのだった。
まあテスト期間中だし。でも折角付き合うことになったのだから、やっぱりちょっとでも一緒にいたいし。
不器用なりの精一杯。
嬉しそうな顔を見れて良かったけど、実際は大変だった。
佐伯はよく夢想するらしい。ってか、白昼夢くらいみてたかも。全然進まないのだ。ぼうっと窓の方をむいて無言になってしまっていたり、肘をついて天井を見ていたり。
一体今までどうやって勉強してきたんだ?ってマジで不思議に思ったほどだった。教えるのは苦じゃなかったし、俺が罰則を決めた時の漫画みたいなショックをうけた顔は面白かった。だから俺は楽しんだけど、彼女はもしかしたらもう一緒に勉強はしたくないって思ったかも。
とにかく、そんなこんなで恐怖の期末試験が終わったその日、俺は昼前に終わった学校の中を、携帯電話を見ながら歩いていた。



