幼稚園の時、蒼空兄さんがある習い事を始めた。

それが柔道だった。当時まだ俺が柔道を習うことになるとは、考えてもいなかった。だけど母さんは、試合がある度に俺と知愛姉さんを連れて行ってくれた。

いつしか俺は、柔道をみるのが好きになっていた。


「知愛姉、蒼空兄かっこいいね!」

俺はこの時、自分もやりたい!ではなく純粋に頑張っている蒼空兄さんがかっこいいと感じた。

「洸くんも、大きくなったらやるといいよ。」

そう知愛姉さんは答えてくれた。