「お母さん、どうしても引っ越さなきゃダメなの?」

「桜楽・・・。これからはお母さんの実家近くで、二人で頑張って暮らすのよ。いい?」

「うん。でもね、お母さん。」

私の問いかけに、お母さんは、言ってごらん。と言ってくれた。だから私は、すぐにお母さんにお願いしたの。

「引っ越す前にあの子に会って、さよなら言いたいの。ダメかな?」

「いいわよ。いってらっしゃい」

お母さんに「ありがとう」と伝え、いつも会う公園に向かった。けどその男の子に何があったかは私には、一切わからないけど
その日は、現れることがなく私は、さよならも言えずに引っ越したの。