「…ウソ。
お前は世界一可愛い女やで」
悟はあたしの瞳をじっと見て言うてくれた。
「…今更何言うてんの」
「……ココ」
悟の手があたしの頬をふんわりと包む。
「ほんまに愛してるで」
「…わかってるわ」
「ココは?」
「…言わなくてもわかるやろ?」
「言葉が欲しいねん〜」
「………ほんまにほんまに愛してるわ」
悟は少し笑ってから唇を重ねた。
ゆっくりな、長い長いキス。
もう、まわりの人とか関係なかった。
あたしたち2人だけの、世界だった──。
「ほなな!」
「すぐ電話するわ!」
悟と最後まで手を振った。
悟が見えなくなったとき、一筋の涙が頬をつたった。
…でも、悲し涙だけやない。
嬉し泣きも入ってる。
きっと、悟が行ってしまうことで、あたしは成長できると思った。
何年でも、何十年でも、ずっとずっとまた会える日を待ってるよ。
‐END‐