「なっ…に言うてんの! 出発明日やろ? それに悟、いつもそんなこと言わんやん。 熱でもあるん?」 「…そんなんちゃうわ……」 悟はマジな声で言った。 本当に行きたないんや…… 「離れたくないほど、心のことが好き言うてんねん! 早よう気づけアホ!!」 悟はすこし泣きながら言った。 「………」 ──そんなこと言わんといて 悟だけやないよ。 あたしやて同じ気持ち… 離れたくないんよ…… 「…悟、だめや、離れて」 「……いやや」 「悟、お願い…。だめやって」 それでも悟は離れようとしない。