…そのとき。
「…あ。ココ、あれ見て」
悟があたしを呼んだ。
「…何やねん」
「ホラ、あれ。」
悟は窓の外を指差して言った。
「…えー?何よ?何もないやん」
「あるやろ。ホラ!」
あたしは悟の指差すほうを一生懸命探して見た。
…そのとき。
チュ
悟が不意打ちにキスしてきた。
「アホー。何もないわ」
「……なっ…」
あたしの顔は真っ赤になった。
「ココはほんまアホやなぁ」
「あんなマジな顔で指さされたら探すやろっ」
「でもキスしたかったんやろ?ならえーやん(笑)」
悟はあたしを見てニヤッと笑った。
「…あっ、アホ!!」
──ほんまアホや…
反則やろ…
あたしは火照った頬を手でおさえた。

