*クラウスside
アメリアが寝たのを確認した俺は、横抱きに抱え立ち上がる。
そこへ背後にノーマンの気配を感じ、ノーマンの方へ振り向く。
「……アメリアは、ヴァンパイアだったのか?」
予想通りの質問に俺は失笑する。
人間であるノーマンはヴァンパイアに纏う気配に気づけない。
だから、ヴァンパイアみたいに見た目や雰囲気には気づかず、依頼がないと、“こいつヴァンパイアなんだ…”としかわからない。
「……そうだね、しかも純血様だ。……それが?」
「なんで…ヴァンパイアを保護してんだよ…ヴァンパイアを絶滅させるんじゃないのか!?」
「そうだよ。それは昔からずっと変わらない」
ノーマンは普段バカだけど、でも優秀な奴だ。
吸血鬼討伐隊は優秀じゃないと選ばれない人材。
…まぁ、それだけではなく、過去にヴァンパイアに恨みがある連中ばかり。
その中でノーマンだけは別。
ただ上の奴にスカウトされて、吸血鬼討伐隊になった。
性格はちゃらけて女には目がない奴だけど、正義感だけは人一倍ある。


