「…まぁ、いっか…報告書書くのめんどいし」
クラウスはベールの体が砂になっていくのを見ながら銃をしまう。
そしてクラウスは離れたところで血塗れで苦しんでいる吸血鬼の元へ向かう。
「…っ、は…」
「俺から離れたからいけないんでしょ?今日はちゃんと言うこと聞いてね」
クラウスは膝の上に私の体を横抱きにする。
そして先日みたいに懐からナイフを取り出し、指先を深く切りつける。
「んっ!?」
クラウスは切りつけた指を私の口に入れ、口の中で血が流れ込んでくる。
だけど、それを私は飲み込まない。
血なんて…飲みたくないもの…
力が入らない手で精一杯クラウスに抵抗する。
こんなの、クラウスには効かないことは知っている。
だけど…こんな状態になっても血は飲みたくない…
「全く…強情なヴァンパイアだ…」


