しかし、優しい青年からの返答はない。
それどころか、優しい青年は自分の肩を震わせていた。
どうしたんだろうか…
「…え…っと…」
「……っは、あはははははっ!」
「!?」
急に声に出して笑い出した青年。
「…っまさか…こんな簡単に引っ掛かるなんてね……しかも純血様だし」
「…え、」
青年はニヤリと笑いながらこちらに振り向く。
思わず後ずさり青年から距離を置く。
純血様…って…
そして….思い出した。
この人…前にクラウスたちの書類に書かれていた吸血鬼だ。
写真もついていたから、間違いない。
なんで、今まで忘れていたのよ…
「一目でわかったよ。貴女様が純血の吸血鬼だってこと。いやー僕ってラッキーだよね、純血の血さえ手に入ればよりチカラが増すんだから」
「ちか…ら…?」
「そうだよ…吸血鬼特有の能力(ちから)…」
そう言って青年は瞳を紅く光らせ、近くにある民家の窓を割り、周りに落ちている石と一緒に浮上させる。


