捕えられた吸血鬼







「……意地悪」



「なに言ってんの。超優しかったでしょ」



ほら、寝るよ。とクラウスは膝の上から私をおろし、一緒に布団の中に入り込む。



そして、布団の中でクラウスに抱きしめられ…



「……ありがとう。ずっとそばにいてくれて」



ぼそっと小さく呟くクラウスの言葉に私はえ?と上を見上げる。



しかし、クラウスは思っていたよりも眠かったようで、寝息を立てて寝ていた。



相変わらず寝るの早い…



っていうか、さっきの言葉って…なに?
クラウスが私に…感謝の気持ちを言ったんだよね…?



急に言われて吃驚したけど、クラウスの言葉が嬉しくて顔がにやけてしまう。



「それは私のセリフだよ、クラウス」



私はクラウスの胸元に顔を近づけると、クラウスの規則正しい心臓の音が聞こえる。



最近は特にこの心臓の音を聞くと安心する。



これを聞くと、ちゃんと生きてるって実感するから。