捕えられた吸血鬼






……え?



ゆっくり離れていくクラウスを見上げれば、彼もじっと私を見つめる。



…….今のって…
え、キス……だよね?


そういえば……初めてクラウスの指から血を貰った時もされたっけ…



……なんで?



「クラウ…」


「さて、そろそろ寝たいし…さっさと血を飲んでくれない?」




クラウスは大きな欠伸をした後に、自分の指を私の口元に運ぶ。



え…っ、ちょっと待って…!
キスの理由を聞こうと思ったのに、なんか聞けない雰囲気になってるし…



意味がわかんないよ…!



「ねぇ…クラ…」



「飲むの?飲まないの?」



クラウスは私の質問の内容がわかっているから、さっきから私の言葉を遮っているのか…



そんなに答えたくないの?
……でも、された側にとっては理由が知りたいよ!