捕えられた吸血鬼






そんな私の行動にクラウスは可笑しそうに笑い、私の頰を軽く摘む。




「なんて、冗談だよ。今日は仕事だったし、かなり疲れてるからそんな体力もないし」



「……」



仕事じゃなかったら本気だったの?…なんて、口が裂けても言えない。


後が怖いもん。



「だけど…….あの頃はこんなことになるなんて想像もしてなかったな……セリアさんの依頼が終わったら、また王都で仕事していただろうし」



「え、本当はこの街に戻って来るつもりじゃなかったの?」



「うん。あの頃の俺にはそんな予定はなかったね」



だって、この家の最後の思い出は母さんの死だったし…


ここに帰ってきたとしても辛い気持ちになるだけ。


そして、ずっと自分を責め続けるんだ。

どうしてあの日、母さんも一緒に連れて行かなかったんだって…



実際、今もそう思う時もあるけど。



でも、アメリアと過ごすうちに、自分の寿命を考え始めるようになって、アメリアと離れようと決めた時に、この家のことを思い出した。



辛い思い出しかないと思っていたけど、楽しかった思い出もあったんだと思えるようになった。