捕えられた吸血鬼






「前にも言ったけど、俺のこと呼び捨てでもいいし」



「えっと…それは…」



呼び捨てだなんて…そんな恐れ多いし…


かと言って…今更“叔父様”と呼ぶのも変な感じだし、セーファス司令官の外見はまだ若いから尚更違和感があるというか…



…うーん…ここは単純に…




「じゃあ…セーファス…さん、とかでもいいですか…?」



「“さん”付け……いいね、“さん”付け。中々ないからかなり新鮮な感じだね」




意外とよかったんだ…“さん”付け。



でもそっか…
セーファス…さんって、吸血鬼討伐隊の中では司令官だし、そうじゃなくても純血の吸血鬼だから、大体“様”付けになっちゃうんだ…




「さてと…そろそろ俺たちは王都に帰ろうか。もうすぐ列車が来る頃だし、クラウスに見つかったら怒られそうだし」




セーファスさんは背筋を伸ばし、時計塔で時間を確認しながらそう言う。



もうすぐ…クラウスに会えるんだ。



「セーファスさん、本当にありがとうございます」



私はセーファスさんに頭を下げると、彼はふっと微笑んで私の頭を撫でる。



「俺が好きでやってることだからいいんだよ。それに、こちらこそ素直じゃない息子のことよろしくね」



「はい」



セーファスさんは本当にクラウスのこと息子のように思っているんだ。



それにセーファスさんはクラウスのためにいろんな行動をしてるし……クラウスって本当にセーファスさんに愛されてるよね。



そう思っていると、セーファスさんはああ…そうそう。と何か思い出したようで…



「あと、アメリアに一つ」


「え?」



頭を上げた私にセーファスさんは耳打ちをして、驚いている私に微笑んだ後、お母様の能力でこの場からいなくなった。



い…、今のはどういうこと…だったんだろうか。



でも…試す価値は…あるよね…



そう思っていると列車の汽笛が聞こえてきて、私は慌てて薬を飲んでクラウスが外に出て来るのを待つ。