「そんな覚悟はないし、いらなくない?」
「……え、」
ノーマンはきっぱりとそう言って俺に向かって指差す。
「クラウスはすぐ暗い方向に考えるよね。いなくなることじゃなくて今を考えなよ。クラウスは今ちゃんと生きてるんだから。これからの人生だって楽しまないと損した人生で終わってしまうし、そんな人生つまらないだろう?」
得意げに言うノーマンに呆気にとられる俺。
そして、俺はすぐにふっと笑ってしまった。
「な…っ!今笑うところか!?」
俺、結構真面目に話してるんだけど!というノーマンに、俺は悪い悪いと平謝りをする。
ノーマンって、本当前向きというか…なんというか…
でも、それがノーマンらしい。
ノーマンの言葉って、何気にすごいんだよね。
歳を聞かれたあの日だってそうだった。
もし、あの日…ノーマンに歳を聞かれていなかったら、今ここにノーマンはいなかっただろうね。
ただの仕事仲間で終わっていたと思う。
「人生楽しまないと損……ね。ノーマンは正直に生きてそうだもんね」
「クラウスが後ろ向きすぎるんだ。少しでも前向きにならなきゃ。これからは俺だってついてるし」
「嬉しくないな」
「またそんなこと言って…たまには素直になりなよ」
「今のかなり本気だけど」


