捕えられた吸血鬼






でも、本当は心の中のどこかでわかっていたのかもしれない。



あの街に帰るなんて言ったら、ノーマンもついて来るんだろうって。



ノーマンってかなりのお節介な性格だしね。
それに、優しい奴だから。



俺が一人だと知れば、ノーマンは俺を放っておくはずがない。



だから、言わなかったんだ。
ノーマンに黙ったまま…別れを告げないまま去ろうとした。



おかげでセーファスに邪魔されたけどね。



「…覚悟はあるの?」



「覚悟?」



「そう…俺を看取る覚悟…と言っとけばいい?」



なんて、ノーマンに看取ってもらうつもりは更々ない。


別に覚悟なんて必要ないし、こんな重い言葉を掛けたのは……俺の最後の悪あがき。



覚悟はない。とか言って王都に帰らないかなと思っただけ。