「いないよ、マンションにも」
「…….え?」
マンションにもいない…?
え、じゃあ…クラウスはどこにいるの?
もしかして、仕事でどこかに行っているの?
いろんな考えが飛び交っている中、セーファス司令官は自分の机の上に置いてあるものを掴み、ちゃりんと音を立てて私の方へ見せる。
……鍵?
「これはね、マンションの鍵なんだ。クラウスが使っていた部屋のね」
「え?」
「クラウスは…出て行ったよ。王都からね」
「え……」
出て行った…?
王都から……?
「クラウスはあの街に帰るために、ここを出て行った。まぁ…表向きは長期出張になっているんだけどね」
本当は吸血鬼討伐隊を辞めるつもりだったみたいだけど、俺が引き止めたからね。というセーファス司令官に、私は頭が追いつかなかった。


