「きっとサリーたちね。私から言っておくから心配しないで」



「…ありがとうございます」



今サリーたちに捕まったら説教が長そうだから助かった。



一安心していると、お母様は自分の手と私の手を繋ぐ。



「え?」



「アメリアはお兄様を頼りに王都へ行くつもりだったのよね?クラウスのことはお兄様が一番知っているから」



「はい…」



うん…その通りだよ。
王都にいるセーファス司令官の元へ尋ねれば、クラウスのことを教えてもらえると思って…



でも、行き方がわからないんだよね…



はぁ…と深い溜息を吐くと、お母様は繋いでいる手の力を込める。



「大丈夫よ、アメリア。今から貴女をお兄様のところへ連れて行ってあげるから」



「え?本当ですか!?」



それは助かる!
迷子にならなくてすむし、一人で行くより心強い。


…でも、どんな手段で行くのかな?
とりあえず街に行った方がいいんだよね?



そう思っているとお母様はにっこりと微笑み、繋いでいる手を上に挙げて私の目線に合わせる。



「だから、しっかりと掴まっててね」



「……え?」



掴まってて…?
……何に?手?



意味がわからないけど、とりあえずお母様の手をしっかりと強く握りしめる。



すると、お母様の瞳が紅く染まっていき、え?と思った瞬間、私たちはこの場からいなくなった。