「アメリア」



お母様に名前を呼ばれた私は反射的に身構えるが、お母様はふっと微笑む。



「そんな身構えなくてもいいわ。もう…引き止めないから」



「え?」



どういうこと?
てっきり、お母様に見つかったら部屋に戻されると思ったけど…



不思議に思っていると、お母様は私の頰に手を伸ばす。



「私の我儘に付き合わせてごめんなさい。今までアメリアのこと一人にさせていたくせに、アメリアと離れたくなくてクラウスと引き離すような形でになってしまって…」



「お母様…」



「でも、私が思っている以上に…アメリアはもう子供じゃないのよね。自分で自分の居場所を見つけたんだから」



そう言ってお母様は私を優しく抱きしめる。