「早くお戻りください。でないと、私が奥様方に叱られ…」
「ごめんなさい、サリー!」
サリーの言葉を遮り、大きな声で謝った私は目の前の人物に神経を集中させる。
「…っ!?アメリア様、その瞳……!それに…体が…」
サリーは今の私の姿や自分に起きている異変に気付き、かなり困惑しているようだ。
そう…私はサリーに能力を使ったのだ。
上手くいってよかった…
それに、あの時セーファス司令官が能力のことを教えてくれたから助かった。
まさかここで私の能力が役に立つなんて思わなかったから。
さて…サリーは暫く動けないだろうし、今のうちに屋敷を出なきゃ。
未だに困惑しているサリーに心の中でもう一度謝り、私は急いでこの場を去り玄関へと向かった。


