捕えられた吸血鬼






ポタポタと涙が流れ落ち、開いていたページに染みを作っていく。



こんな大事なこと…忘れちゃうなんてね。


やっぱり…セーファス司令官ってすごいね。
きっと私が本気で挑んでも敵わないよ。



でも…どうして、記憶を戻せたんだろう。


セーファス司令官の能力って、一度記憶を消したら、一生そのままで記憶は戻らないと思っていたけど……



……詳しいことはわからない。
でも、記憶を取り戻せたんだから、今はそれでいっか。



私は涙を拭って、本をその辺に置いて立ち上がり、クローゼットの中からあの服を取り出す。


それは…あの日にクラウスが買ってくれた白のワンピースだ。



行かなくちゃ…
クラウスのところへ。