また今度聞いてみよう。と取り敢えず、目の前の紙に目を向ける。
吸血鬼の名前はベール・ローランド。
活動時間は主に夕方から夜。
そして、その時間帯に若い女性、又は幼女を連れ出し殺害している模様。
やっぱり首のところには、吸血鬼特有の噛み跡があること。
依頼人は被害者の幼女の母親らしい。
「……よくわかんないけど、この人はヤバいの?」
「まぁ、ヤバいんじゃない?そいつを調べた人によると、殺ってる人数は十人以上。血を貰う前は痛みつけて苦しませて殺ってるみたいだし」
そんな情報、ここには載ってないんだけど。
そう思ってクラウスを見ると、手にはコンパクトな機械を弄っていた。
なにそれ?
情報源はそれ?
「……何だか、クラウスに似てる…よね?」
「え?何か言った?もうそんなに逝きたいの?」
「ごめんなさい!!」
今一瞬、クラウスが悪魔に見えた。
あの男と一緒にしてごめんなさい!


