「報告書は随時に送るけど、ここに来るのは年に一回で」



「え?月に一回じゃないの?」



「年に一回」



何のためにあの街に帰ると思ってんの?
大体、ここまで来るのにどれくらいの距離があると思ってんの?



昔、よくあの街に来ていたあんたが一番知ってんだろう。



全く…



「セーファス、それら全部送って。全部返すつもりで来たから荷物が入らない」



「荷物が入らないって…え?クラウスそのまま去るつもりだったの?」



「そうだけど。あ、マンションの鍵は返す」



そう言って机の上にマンションの鍵を置き、セーファスに背を向けてドアの方へ歩く。



そして入り口付近に置いていた鞄を持つ。



そろそろ行かないと、列車の時間に間に合わなくなる。



「じゃあな、セーファス」


「…本当急だね。クラウスこそ気をつけて」



セーファスはにこにこと俺に手を振り、俺はそんなセーファスに軽く微笑んで司令官室を出た。


そして、その足で駅へ向かった。