「….…まぁ、今日はクラウスのために来たんだけどね」
「え?」
セーファス司令官の言葉に首を傾げると、今まで黙っていたお母様が痺れ切らしたように、セーファス司令官を睨みつけながら声をあげる。
「ちょっとお兄様!気軽くアメリアに話さないでくれます?」
「久しぶりに会ったというのに、冷たくない?それにいつまで仏頂面でいるわけ?せっかくの可愛らしい顔が台無しだよ」
「そうやってからかわないでください!大体、すぐにこっちに仕事を回すの止めていただきませんか?しかもいつも面倒臭いものばかり…」
「ああ…旦那にね。でも何食わない顔で仕事を片付けるから、すごくいけ好かないんだよね。だから、つい仕事を回しちゃうんだよね」
根を上げてくれれば考えるのに。というセーファス司令官にお母様は反抗する。
そういえば、前に…セーファス司令官がクラウスの昔話を話してくれた時、吸血鬼討伐隊の幹部の話も出てきた。
あの時は、クラウスのことで頭がいっぱいで、あまり他の内容には触れなかったけど…
四家は吸血鬼討伐隊の幹部になったと言っていた。
その四家の一つがメイフィールド家。
お母様とセーファス司令官の話を聞いていたら、その幹部って……私のお父様というわけで…
こんな身近に吸血鬼討伐隊がいたというのに……私は何一つ知らなかった。
そもそも両親とはあまり会わないから、どんな仕事をしているのかさえ、知らなかった。


