もし、クラウスとの約束さえなければ、私はとっくに屋敷に連れ戻されていただろう。
でも、クラウスとの約束があったから、私は今日まで自由に過ごすことができた。
……そう、自由だと思っていた。
クラウスに捕らわれていたけど、でも居心地はよくて、屋敷にいる時よりも生きている感じがした。
だけど、それは全て約束のため。
最初から……
全て仕組まれたことだったんだ。
自由なんて、なかった。
クラウスに捕らわれても、捕らわれなくても、結局結果は同じだった。
「クラウスの報告では、完全に血の克服はできていないけど、自ら飲むことはできるようになったのよね」
「まぁ…指からじゃないと、まだ無理ですけどね」
「それでも、だいぶ進歩したわ。あとは屋敷に戻って、少しずつ慣れさせるわ。ありがとうクラウス」
これで約束は終わりよ。というお母様の言葉に私はどくん…と胸が鳴る。
終わりって…
まさか…


