捕えられた吸血鬼







「……アメリアさん」



「…っ!?」



“さん”付けで呼ばれた瞬間、背筋に寒気が走った。



すると、男は私の両頬に手をあて顔を上に向けられる。




「人と話す時はちゃんと目を見なきゃねぇ。だから、もう一度面と向かっておねだりしようか?」




「…っ!」




結局あれはダメだったってこと。



人間に名前一つ聞くのに、こんな苦労することなの!?



「え…っと…」



「早く言わなきゃ、ずっとこのままだけど。ああ、でもそれが望みなら俺は構わないけど」




そう言いながら男は私をソファーの上に押し倒す。



急な展開に頭がついていかない。




「え、な…、なに…」




「まぁ、テンパちゃって。こういう状況は初なのかな?」



にこにこと楽しそうに聞いてくる男。


誰だってこんな状況、テンパるよ!!