捕えられた吸血鬼






「アメリア、ずっと立ってないでそこのソファーに座っててよ」




そう言ってセーファス司令官はテーブルの上に、紅茶が入っているティーカップを置く。



「…失礼します」



ソファーに座り、向かい側にはセーファス司令官が座る。




セーファス司令官は美味しそうに紅茶を飲み、それを見た私は目の前に置かれているティーカップに手を伸ばす。



…あ、いい匂い。


思えば、紅茶は初めてだ。
こんなにもいい匂いなんだ。



そう思いながら私はそれに口をつける。



しかし、予想外の味に思わず顔を歪めてしまう。


苦…っ、美味しくない…



そんな私の表情を見て、セーファス司令官はクスクスと笑う。