捕えられた吸血鬼







「あ、アメリア。よく来てくれたね」




「……」



王都に戻って一週間。


なんと、私はセーファス司令官に呼び出されて、警察本拠地の司令官室にいます。



二度とここには来ないと思っていたのに…



クラウスはと言うと、先週よりもケガがよくなり、今まで通り運動もできるようになった。



しかし、たまたま非番だったクラウスは不機嫌な表情をし、一緒に警察本拠地まで来てくれた。

その後、ブライアンさんのところに行くと言って、そこで解散した。



……でもさ、仕方ないじゃん。


道はまだ覚えきれてないし、呼び出されてしまったんだから、不機嫌な表情されてもね……



私だって、ここに来るのは嫌だったし。




「紅茶飲む?」



この紅茶すごく美味しいんだよ。とセーファス司令官はティーポットを持ちながら、私に尋ねる。



「…大丈夫です。お構いなく」



「きっとアメリアも気にいると思うよ」



と、セーファス司令官はティーカップに紅茶を注いでいく。



…人の話を聞いてない。