捕えられた吸血鬼






「じゃあ、そろそろ宿を出ようか。もうすぐ列車が到着する時間だし」




ノーマンの言葉に、クラウスはベッドから起き上がり、それぞれの荷物を持って宿を出る。




セーファス司令官はと言うと、ガリアと共に一足先に王都へ戻った。



ガリアは凄く嫌そうな顔をしていたけど……
まぁ、自分が蒔いた種だし。

それにセーファス司令官の笑顔がかなり怖かった……




そう思いながら駅へ向かうと、入り口付近にある二人の姿があった。



「…ファリスさん…シアンさん…」



「お待ちしていました」



二人は私たちに近づいてきて、頭を下げる。




「ありがとうございます。貴方方のおかげで、またこうしてファリスに会えることができました」




「自分も…ヴァンパイアから助けていただいて、ありがとうございます」



二人のお礼の言葉に、ノーマンはにっこりと微笑む。